IPv6移行がかつてのドミニカ移住のような問題にならなければいいが、、、

今日の多くの技術は「民衆の利害」によって普及がはかられているのではなく、「科学者、大企業、政府の利害」によって進路が決められている。 by E.F.シューマッハ

「IPアドレス」枯渇問題、官民が対策会議
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070609AT3S0802Q09062007.html

やっぱり政治を利用しますか。そうですか。虫酸が走りますよ。

結論ありきで、政治的にIPv6へ皆を連行しようとするのは、かつてドミニカには「肥沃で広大な土地がある」といって移住政策を進めたのと変わりない。技術者の論理、ビジネスの論理、役人の論理だけで、市民社会というものをまるで考慮していないとしか思えない。

そもそもインターネットがなくてはならない社会なんて恐怖でしかない。砂上の楼閣。ましてやインターネットになりえるかわからないIPv6へ移住しようなんて、、、

いやIPv6はあまりに未熟ですが技術的には魅力ですよ、、、DNSを見捨ててくれればね。それとIPアドレスのプライバシーをどう扱うつもりなのか説明が欲しい。IPアドレスの割り当てと認証をどうやるのか決まってるの? (*1,*2)
アドレス不足以外の導入理由がことごとく矛盾をきたして、最後の論理でやけくそにつっ走ろうとしているようにしか見えない。

枯渇っていったって、IPv4が無くなるわけじゃなし、IPv6をいくら推進したってIPv4アドレスをどうやりくりするのかはどのみち検討しなくちゃいけない。むしろサーバなんかに両方割り当てることでIPv4アドレス枯渇は加速するだけ。老朽化したIPv4インターネットを捨ててやり直すんだったら、その用意をしなければいけないが、IPv6DNSIPv4に依存しきっている状況をみると、そのつもりはないらしい、、、

そうそう、IPv6普及・高度化推進協議会*1は無理矢理期間延長してまで実験参加者に割り当てたIPv4アドレスを本当に返却するだろうか、、、

技術って楽しく、そして人々を幸せにしなければいけない。
インターネットがインフラといいだされてから、インターネットはつまらなくなってきた。インターネットって何?

ところで私たちは高度経済成長以前より幸せになっているのだろうか、、、

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*1:2008.03.26追記 いつの間にかURLが変更になっているようです:
IPv6普及・高度化推進協議会/大規模IPv4アドレス空間実験/参加者リスト